+ Delay in Love 1 +  戦争期・小田原抗争後・原作逸脱&オリキャラ注意




その日の飲み会はいつもの特殊部隊の宴会とはちょっと違っていて、あたしの労う為の飲み会だと小牧教官が話してくれた。

全隊が小田原に出向いていた際に一人だけ稲嶺司令の警護へ回されたあたしは司令と共に良化法賛同団体に拉致されたものの、なんとか司令に怪我を負わせることなく無事に収束した。
一人であたしなりに奮戦したことを堂上教官にも隊の先輩達みんなにも特殊部隊の一員と認めてもらえたのが嬉しくて、気分が舞い上がっていたのかもしれない。
自分でお酒に弱いの事はわかっていたのに、ついつい勧められるままいつもよりハイペースで飲んでいたらしい。

寝オチして堂上教官の背中に乗せられていたときに一度目が覚めて記憶がうっすらとあった。
「きょうかん・・・」
「・・・なんだ」
「・・・あたし、きょうかんの、・・・みんなのそばにいて、いいんですよね?・・・」
しばしの沈黙のあと、堂上教官は「ああ、励めよ」とぶっきらぼうに言ってくれたことを覚えていた。
それが嬉しくて、思わず教官の肩に回していた腕をぎゅっと強く締めて背中に頬を寄せたのも。

教官の匂いは男の人の匂いなのに、何故か凄く安心するし、嫌いじゃない。
寧ろ---------好きだと。
一旦目が冷めたものの、酔いが回っているのか、眠くて眠くてとても一人で歩く自信はない。
教官、今日だけは嬉しいからこうして甘えさせてもらえますか?
また襲ってくる睡魔に身を任せて、そのまま堂上の肩に頭をコトリと乗せる。首筋から香る堂上の匂いに郁はまた酔いながら意識を落とした。



そのまま深く眠ってしまったのか。
そのあと何か堂上相手に言葉を紡いだのか、まったく覚えていない。

だけど気がついたら、寮の自室にある物よりずっと大きなベッドの上で目が覚めた。
そして誰かの腕の中に包み込まれていることに気がついて、一瞬で眠気と酔いが醒めた。

ちょっ・・・!?

それ以上の声を荒げなかった自分を褒めてやりたい位だった。

隣に眠る人を起こさないようにゆっくりと腕の中から抜け出して、その人の様子を窺う。
端正な顔立ちをした直属の上官が隣で眠っていたのだと理解した後すぐに自分の姿を確認した。

キャミソールと下着、のみ。

もしかして・・・あたし・・・
堂上教官と、そういうことした、ってことだよね?!



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